原文
bhava-pratyayo videha-prakṛti-layānām
和訳
身体を持たない存在や、自然原理(プラクリティ)に融解した存在にとっては、認識対象をともなわない静かな意識状態(アサンプラジュニャータ・サマーディ)が、それまでの存在のあり方によって自然に現れることがあります。
解釈
ここで言う「身体を持たない存在」や「自然原理に融解した存在」とは、伝統的な宇宙観の中で想定されている、通常の人間とは異なる存在状態を指しています。
この節では、特別な修習によらなくても、ある種の存在状態によっては、アサンプラジュニャータ・サマーディに近い状態に至ることがあると示されています。
ただし、それは最終的な解放(カイヴァリヤ)そのものを意味しているわけではありません。
身体を離れたり、自然原理に溶け込んだとしても、根本的な無知が完全に断たれているとは限らないからです。
つまりここでは、「特殊な存在状態」と「究極の解放」とは区別されている、という点が重要になります。