1.9

原文

śabda-jñāna-anupātī vastu-śūnyaḥ vikalpaḥ

和訳

想像(ヴィカルパ)とは、言葉の知識に基づいて生じる心の働きで、それに対応する実在の対象を持たないもの。

解釈

こころの働きの三つめは、「想像(ヴィカルパ)」です。

言葉や概念をきっかけに生まれる想像ですが、それの指し示す対象が実在しているとは限りません。

また、その想像が論理的に筋が通っているかどうかは関係なく、
「言葉ばかりが先にあり、実体が後からついてこない」
という点が特徴です。

たとえば、

「ユニコーンがいる」

という考えもヴィカルパの一例です。

言葉としては理解できても、その言葉が指す「ユニコーン」というものは実在しません。

同じように、

「私はダメな人間だ」

という自己評価も、言葉で作られた考えのひとつであって、それが事実そのものとは限りません。